きーまま様と私は博多駅まで戻りました。
駅に着いたのは夕方。「おなかは空いていないし、夕食には早いし…」と、博多の総鎮守“ 櫛田神社”へ行ってみることにしました。最寄りの地下鉄の駅は博多駅の一つ先。
地下鉄の駅から神社に向っていると、博多の歴史と文化を知ることができる“博多町家ふるさと館”の前を通りかかりました。そこで目に入ったのが入口に置かれていた“2014博多ライトアップウォーク 博多千年煌夜”と書かれた看板。博多の寺社がライトアップされると書いてあり、中に入って聞いてみました。

  すると5時半から周辺の12の寺社でそれぞれライトアップが始まり、時間になると寺社の中のライトアップの会場にはチケットを持っていないと入れなくなるとのこと。

チケットは12枚つづりで、1枚ずつ使って全ての寺社を回ってもいいし、私達であれば2人で使えば6つの寺社を回れるということでした。

18時を過ぎると博多町家ふるさと館も無料開放されると教えてもらってチケットを1セット購入し、もらったパンフレットを見ていると、すぐ近くの櫛田神社の他は反対側にあるということがわかりました。時間を見るとライトアップが始まる時間まで30分ほどでしたので、まず櫛田神社に行ってみることにしました。



櫛田神社です。

博多の夏祭り“博多祇園大山笠”の出発点でも有名な神社で、一年中飾り山が見られます。
私も櫛田神社や博多の寺社は初めてでした。櫛田神社はよくテレビなどで見る神社でしたので「ここだ~」と思ったのですが、この後、博多に立派な寺社が多くあることに驚くことになりました。
参拝をして先に進むと、飾り山笠が飾られていました。

これは実際に走る山笠ではありませんが、1つだけ高さが10m近い走る飾り山笠が実際にあり、その山笠は一番最後に櫛田神社を出発します。
その飾り山の高いところにある人形は毎年口から煙を吐き、ひときわ華やかな山笠とともに見ごたえがあって周囲を囲む桟敷席で見ている人達からは大きな拍手とともに歓声があがります。

今年はその飾り山を担ぐ地区のお祝いの年だったということで、毎年変わる人形の表題が“花咲じじい”。いつもなら煙が出るところが華やかな桜色の輝く紙が舞い、とてもきれいでした。

境内にはいくつかの屋台が並んでいました。
見てみるとテーブルとイスも準備され、ビールなどのお酒やおつまみになりそうなものも売られていたので、「ちょっと何かつまみながら座って飲もう」ということにしました。

その場で揚げてくれるという明太チーズの春巻と、「珍しい」とゆずとジンジャーの梅酒を注文。

梅酒は屋台の店頭に下げられたビールや焼酎というメニューの一番下に付け足したように貼られてあったので、店員さんに勧められて気づきました。

梅酒を温めてくれたのですが、その時「わかりにくいですかね~」という男性の店員さんに「珍しいし女性が好きそうなのに目立たないから、わかりやすいところに貼り替えた方がいいと思いますよ~」と2人で言っていたのですが、帰りにその屋台の前を通るとちゃんと一番わかりやすいところに貼り替えられていました(笑)


梅酒を飲み、春巻を食べながらいろいろな話をしましたが、「アボガドを焼くとおいしいよ」と教えていただいたり、おでんの具の違いなどほぼ食べ物の話だったような…(笑)


そうしているうちに周囲が暗くなってきたのに気づき、時間を見るとライトアップが始まっている時間でしたので櫛田神社の正面に向かってみると…。

さっき見たばかりの拝殿がゆっくりといろいろな色に変わっていっていて、思わずきーまま様と「うわぁ」と言いながら楼門をくぐりました。
柔らかな桜色のライトアップがされた、いけ花の前を通りスタッフの人にチケットを渡すと、LED電球が灯った提灯を手渡され、先へ進みました。
提灯を持って進路に沿い両側にほんのりと灯った明かりの道を進みましたが、提灯を持つことも、持ってそんなふうに歩くこともきーまま様も私も初めて。神秘的な空間でした。
三神がそれぞれの社に祀られている所へ進んだ時、撮影はできないだろうと思いながら近くにいた警備の人に「撮影はダメなんですよね?」と聞くと「撮影されてかまいません」という返事が返って来た時には驚きました。


櫛田神社だけではなく他の神社にもありましたが、右の写真は博多べいと呼ばれる土塀です。

豊臣秀吉の太閤の博多町割り(戦災復興都市計画)によって、戦災からよみがえった市街には(郷土再興を祈願して)焼け石、焼け瓦が厚く塗り込められた「博多ベい」と呼ばれる土べいが長く連なりました。
櫛田神社の「博多べい」は博多三傑の一人嶋井宗室の屋敷で三百八十余年の風雪に耐えた最後の「博多ベい」を移築再建したものです。

とありました。

両側に灯った明かりの道を抜けると、建物の壁に流れるように次々と色が変わるライトアップが見られました。こんなライトアップを見たのは初めて。とてもきれいでした。
思ってもいなかったきれいなライトアップを見ることができ、「きれいでしたね~」と言いながら神社を出ようとすると、そこに撮影するのにも全体が入りきれないくらいの大きな銀杏の木がありました。
樹齢1000年とも伝えられている天然記念物で、収穫された銀杏は神社で売られるそうです。